自然の素材が持つそれぞれの旨味を引き出した佃煮

佃煮はもともと、冷蔵庫のない時代の保存食として考え出されたものです。素晴らしい食の知恵ですが、今の時代は、素材の味が隠れてしまうほどの濃い味付けよりも、むしろ素材のおいしさを大切にした佃煮のほうが喜ばれるのではないでしょうか。そう考えて、椒房庵なりの佃煮を作りました。
味づくりの土台になる醤油は、椒房庵の原点ともいえる無添加・天然醸造二年仕込みの『久原醤油』。それに、みりんと砂糖を加え、時間をかけてじっくり材料を煮込みました。醤油は、元来素材がもつ旨味を余すことなく引き出すことができる最高の調味料です。
自然の素材が持つそれぞれの旨味を引き出し、また、二つの異なった味をうまく調和させ、いっそう美味しいものに仕上げる…。今回は「醤油の力」で、納得のいく味に仕上げることが出来ました。ベタベタした甘さや塩辛さが口の中に残らず、飽きのこないすっきりした味わいの佃煮を是非お召し上がりください。