ぬか床で炊いたさばのじんだ煮
そんな中、スタッフの「郷土料理といえばじんだ煮ちゃ」という一言から失いたくない伝統の味のひとつとして、そして全国の皆さまにも味わっていただきたい郷土料理としてぬか床で炊いたさばのじんだ煮を選びました。



全国どこの家庭でもぬか床は大切にされてきたもののひとつですが、中でも北九州市小倉地区では「空襲時、女性たちは片手に子ども片手にぬか床を持って逃げた」と言われるほどぬか床が大事にされ、それが百年以上受け継がれている家庭もあるそうです。
「じんだはぬか床のことです。小倉の八坂神社には二百五十年といわれるぬか床もあるそうです」と語る黒田登さん・正子さんご夫妻は、おなじみスローフーズ課黒田敏樹のご両親です。
じんだ煮とは、ぬか炊き・床漬け煮とも呼ばれる「魚をぬかで甘辛く炊き上げた」もので、さばやいわしなどの青魚が主に使われます。脂の乗った旬の魚にたっぷりのぬかを醤油やみりん、砂糖などとともに骨まで炊き上げるのが特徴です。家庭によって材料も味もまるで違うそうですが、その家々に伝わる思いやこだわりがそのぬか床には同じように詰まっているのです。
そんな、伝統のおいしさを全国の皆さまにお届けしたい、という思いから椒房庵のじんだ煮作りがスタートしました。私たちはまず本場・小倉で百年以上受け継がれてきたぬか床を分けていただくことからはじめました。
ぬかを炒り、それに混ぜ込む調味料は塩などあくまでもシンプルなもの。材料のうまみとぬかの香りを引き立たせるための選択です。
北九州出身の黒田は「おふくろの作るじんだ煮は強烈なぬかの香りでしたが、初めて食べる方にのために、クセがなく親しみやすいおいしさを目指しました」と自信たっぷり。
椒房庵の歴史とともに百年床を目指すためにこのぬか床は、黒田本人が毎日1〜2回丁寧にかき混ぜ、ぬか床に命を吹き込んでいます。
さばを炊くために使用するみそも、青魚と相性のいい「米みそ」に決定。これも長い時間をかけて試作し、こだわったもののひとつです。うまさを引き立てる唐辛子の量、下ごしらえの手間、まさにすべてが職人技であり、かつ伝統の味の再現に力を注ぎました。そして椒房庵独自の、うまみとコクはあるのに塩分控えめというバランスのいいじんだ煮が完成いたしました。この「おふくろの味」を、ぜひ一度ご賞味ください。

お母さんの歴史でもある黒田さん宅のぬか床。
内容量
2切入/85g
賞味期限
冷蔵保存14日、冷凍保存180日
配送形態
冷蔵便

